Dance Messenger Madoka

ー世界各国を旅するダンサーー

「ここ」にいる時は絶対に気付けないことが山ほどあって、後から気付くということが私たちには何度も起こる。

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日本でダンスインストラクターをしていた時のこと。

 

東京のダンススタジオの超有名ダンサー陣が教えているような場所、ではなく、

茨城の田舎にある新しくて広いダンススタジオだった。

 

その時のことを今でも時々思い出す。

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本当に色んな子と出会った。

 

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練習もせずに「できなーい」とすぐ諦める子もいた。

親に言われて習いに来ている子もいた。

 

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マジメな子もいたし、物静かな子もいた。

音楽がかかったらすぐに踊りだす子もいた。

 

辞めていく生徒もいた。

新しく入ってくれた生徒もいた。

 

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楽しいことだけじゃなかったけど

その楽しくなかった時間も含めて

本当は幸せだった。

 

でもそういうことって後から気付いたりする。

 

ぶっちゃけすごく生意気な子もいたし、

大人げないけど、ムカつくことも多々あった。

 

"子どもは可愛い"と誰もが当たり前のように口を揃えて言ったけど

"子どもは生意気"って心の中で思った自分がいた。

可愛いだけじゃなかった。

でもそれだけ真剣に子どもたちと向き合っていたんだと今は思う。

 

 

鏡付きの綺麗なスタジオがあって

送り迎えしてくれる家族がいて

踊れる身体と音楽が聴こえる耳があって

何不自由なく暮らしていても

 

"それが恵まれていること"だなんて気付くことは

何かのキッカケがない限りわからない。

 

子どもからしたら自分が生きている世界が全てで

それが大きい世界なのか小さい世界なのか疑う余地もないし、

そもそも疑う必要すらないのかもしれなかった。

 

 

 

子どもは時々、嘘をつく。

 

注目されたくてかまってほしくて愛されたくて

 

突拍子もないことをしたり、言ったりする。

 

大人もそうかもしれない。

自分をよく見せるための嘘や、

あるいは誰かを傷つけないためにつく嘘。

 

 

子どもも大人も誰かに愛されたくて

みんな必死に生きている。

 

 

"ダンスを教える"ということを通して

子どもたちから"待つこと"を教わった。

 

 

自分が与えるより、子どもたちから得ることのほうが圧倒的に多かった。

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ダンスを大人になるまで続けていく子が何人いるのかわからない。

 

 

何かを始めるのはそんなに難しいことではないと個人的には思う。

 

飛び込んでしまえば、すぐそこに新しい景色が広がっているし、

 

ワクワクすることが一種の原動力みたいになる。

 

人はいつもとは違うことを求めて、夢見て想像して期待を膨らませて

 

自分が描いた場所に向かって行くことができる性質を持ち合わせていると思う。

 

 

仮にそうであるならば

始めたことを "続けていく" ことのほうがやはり格段に難しい。

 

いくつもの壁が立ちはだかって、諦める理由が簡単に見つかってしまう。

 

親からの反対、金銭面、受験、才能、怪我、

ダンスに対する情熱、できない理由はすぐに見つかる。

 

自分が子どもの時、そういう場面を幾度となく見てきたからわかる。

そして自分もそういう時期があったから、よくわかる。

 

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Photo by Tanabe + Photography

 

 

 

自分が踊りながら色んな国をまわってきたのはもう3年前になる。

 

"旅"なんてカッコつけて言ってるけど、言い換えれば単なる"旅行"。

でもその過去が今でもすごく好きだし、誇りに思っている。

 

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"どうせ自分なんて"って捻くれていた自分が

前を向けるようになったキッカケであるから。

 

一歩を踏み出した瞬間の自分に酔ってるだけでもあるし、

海外ってなんかカッコいいってだけかもしれないし、

 

でもそんなふうであったとしても

外国に行ったことがない子どもたちからしてみれば

新鮮にうつるようだった。

 

 

台湾の路上で出会ったダンサーの話や

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島国で出会ったダンサーの話や

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アフリカでの日々のこと、色々話した。

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日本に帰ってこの日々を忘れてしまうのが嫌で

アフリカの路上で泣いたこともあった。

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圧倒される景色に囲まれて踊ったこと。

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高山病にかかってまで見たかったウユニ塩湖。

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壮大なナミビア砂漠で砂にまみれて踊ったこと。

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ダンスを通して出会った人々。

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子どもたちには伝えきれなかった話も数えきれないほどある。

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自分が旅に出たのは

 

ボランティアをしに行ったわけでもないし、

誰かの役に立つために行ったわけじゃなかった。

 

社会に絶望を抱えていたから。

自分に自信がなかったから。

自分が踊る意味を失ってしまったからだった。

 

 

 

とある日に子どもに

 

「なんでダンス好きなの?」「なんで踊りたいって思うの?」

 

と質問すると

 

「だって世界の人と繋がることができるから」

 

と返ってきた。

 

 

子どもっていうのは本当に面白い。

 

 

自分が話したことにすぐに影響受けて

私の言葉をそっくりそのまま使ってくる。

 

私が発した言葉をそのまま使っていたとしても

 

これまで一度も世界を軸に考えてこなかった子たちが

 

いきなり世界について考え始めて、

 

小さな彼らが彼らなりに考えて

自分が住んでいる世界がちっぽけなものだって

少しだけ気付き始めた瞬間でさえあった。

 

 

ヒップホップって差別や貧困から生まれたんだよって話とか、

なんでヒップホップはオーバーサイズの服を着るのかとか、

 

そんなことについても話し合ったりした。

 

 

自分より優れたダンサーは山ほどいるし

自分が良い先生だったのかは今でもよくわからない。

 

でも彼らの人生の一部分に自分が存在したということ、

それは本当に嬉しいことには変わりなかった。

 

 

髪を切りながら世界を旅してきた美容師のJunさんが

こんなことをブログで書いていた。

 

ー髪切るだけが美容師じゃないー

 

 

踊るだけがダンサーじゃないのかもしれないなって思えた。

 

 

 

最後にもう少しだけ。

 

一年に二回ダンスの発表会が学校内であり、

 

一年に一回、1500人規模のホールを貸し切って

ONE WORLDという舞台も行われる。

 

南アフリカの黒人たちが生み出した「ガンブーツ」というダンスは

この学校で毎年受け継がれているダンス。

 

彼らが作り出すリズムは圧巻。

 

異なる文化や背景を持ち合わせた彼らが一丸となって踊る姿は

本当に感動的。

 

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私はこの学校の生徒じゃないし、教科を受け持つ教師でもないけど、

 

ダンスのおかげで生徒と友達感覚で接することができるのは

先生以上に強みだなと思う。

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この学校の卒業生でもある小林りんさんの人生について書かれた本が

最近、出版された。

 

自分が異質だと日本で感じていたけど、

海外に飛び出して気付いたのは

"日本人であるアイデンティティ"だったという女性の物語。
 

茶色のシマウマ、世界を変える

 

 

 

個人的にピアソンの生活もリアルにイメージできたのも読み応えあった。

 

ピアソンを知らない人や、海外に出たことない人にもオススメの一冊。

 

 

この本の一部分を紹介したい。

 

ー外国などというものは、

明日という日が本当は存在しないように、本当はどこにも存在しない。

 

彼女が日本にいた時、確かにカナダは外国だったかもしれないけど、

カナダに来てしまえば、

そこは彼女が生きなければならない「ここ」でしかなかった。

 

人間の生きる難しさは、日本であれ、カナダであれ、変わりはしない

  

 

人間というのはそういう生き物なのか、

どんなに素晴らしいことをしていても、どんなに素晴らしい場所にいても

別の場所に到達するまでは

それがどれほど素晴らしいことだったのか気付けない。

 

旅をしている間に気付けなかったこと、

日本で教えているときに気付けなかったこと、いっぱいある。

 

子どもたちもきっとそうだ。

 

「ここ」にいる時には絶対に気付けないことが山ほどあって、

後から気付くということが私たちには何度も何度も起こるのだと思う。

 

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本はアマゾンからも購入可能です。

 

 

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